エロゲ「この青空に約束を」……通称「こんにゃく」がテレビアニメ化するそうで。
一応、「パルフェ」のSSを書く自分としては気になる事態であり、当サークル「空影」が丸戸氏作品を支持していることへのアピールという意味も含めて、プレビューという形で考察&グチを。
思っていたより長くなってしまいました……。
アニメ化について(その1・その2)
・この青空に約束を― アニメ化について その1
正直、あまり期待していません。できない、というほうが正しいでしょうか。
このままそっとしておいてほしかった……というのがファン心理なんですが、商業的にはそうもいかないのでしょう。考えてみれば、「地味」「メジャーでない」と言われ続けたショコラ(正確にはRipple)シリーズからしてみると、こんにゃくはかなり一般層への受けを狙ったかのように思えます。
なので、初めからこうなることを念頭に製作されていたのかもしれません。丸戸氏作品ではもちろん、戯画にとってもテレビアニメ化は初(たぶん?)の事態。おそらくは喜んでいることでしょう、戯画(TGL)・アルケミスト・企画屋の陣営は。
もちろん、アニメ化=エロゲとしての到達点、という意味ではありませんが、昨今の傾向からすれば、アニメ化が一種の「売れた」「売れなかった」を判定する基準となるのは明らか。今回の発表が、作成陣の力を内外に示したのは確かです。
が、「自分たちだけが知っておきたかった」という、俄かファンの出現を懸念する心情の他にも、前述のように、アニメ化に対して否定的な考えが自分の中にあります。以下に、それについてまとめを。
PS2ゲームやその他メディアミックスコンテンツの販促に成り下がったっていい。毎週楽しみにできなくても構わない。けれどせめて、見てて苦痛にはなりませんように……。
■エロゲのアニメ化
そもそも、エロゲをアニメ化して成功した例はあるのでしょうか。いえ、ほとんどありません。
大抵の場合、「京アニ」という単語が思い浮かびますが、そんなことはないと言っていいでしょう。戯画と京アニの繋がりがあると思えず、京アニの予定はずいぶんと先まで込んでいます。
とすると、京アニ作成以外に成功したものと言えば……君のぞとかD.C.とかでしょうか。あれも成功とは言いがたいかもしれませんが。
近年では、例のキャベツ事件のように、目も当てられない結果となってしまった事例も少なくありません。あそこまでヒドいものは却って稀有でしょうが、「普通にダメアニメ」という、ネタにすらならないものもしばしば。こんにゃくがそうならないといった保障はどこにもなく、逆に、可能性的には高いのではないでしょうか。
作画の崩れたつぐみ寮の面々……うわぁ、見たくない……。
■丸戸氏作品を映像化するに当たり
個人的には、丸戸氏作品のおもしろさは、その軽快かつ独特なセリフ回しにあると思っています。プレイヤーの読解力を問うような文章・文体。シナリオ構成力の高さを抜きにしても、キャラたちの掛け合いだけで十分楽しむことができます。
しかし、アニメという媒体でこんにゃくを表現する際、このような長所は活かすことができるのでしょうか。アニメでは、当然のことながら、一つ一つのセリフは瞬く間に過ぎ去ってしまいます。ゲームのように、自分ペースで読むことも、読み直すこともできません。
であるので、視聴者にわかりやすく改善された会話になってしまうのではないかと不安です。多くのエロゲに当てはまることかもしれませんが、特に丸戸氏作品――こんにゃくは、エロゲだからこそ楽しめるものであると考えています。
■こんにゃくを映像化するに当たり
また、こんにゃくというゲームは、ストーリー的に言えば、どのルートもかなりベタな部類に入ります。大きなどんでん返しはあまりありません。意外と予定調和で話が進んでしまった……というのが、プレイをしたときの感想でした。
もっともそれは、我が敬愛する「パルフェ」と比較してしまうからなのかもしれませんが。
こんにゃくをアニメ化するとしたら、ルート的には凛奈か海己でしょう。見応えがあるとしたら、まだ海己のほうがいい、かな。凛奈は……うーん……。
丸戸氏のキャラ作りでは、そこまで「萌え」に特化したアニメになることも考えられません。1クール(予想)の中で、どれだけキャラをフューチャーできるのかも疑問です。
そんな中で、どれだけこんにゃくのよさを発揮できるのでしょうか。無難にまとめようと全キャラのルートをつまみ食いした挙句、結局はハーレムエンドとか……。そんなグダグダ展開は勘弁願いたいです。
だったら、こんにゃくではなくパルフェをアニメ化すればいいのに。玲愛か里伽子ルートで。
そう思ってしまうのは、やはり贔屓目からでしょうか。
■声優
最後の問題点は、担当する声優さんです。
ご存知の通り、ショコラ・パルフェのPS2化では、執拗なラムズの介入からか、「CLOVER」その他を半ば無理やり当てる現象が発生しました。マイベストキャラの1人である里伽子を新谷良子嬢がやると知ったときは、どれだけ怒りを発奮したことか……。
それはさておき、すでにこんにゃくPS2版の発売が決まっている現在、アニメ化ではどのような配役になるかが気がかりです。オリジナルの声優さんがそのまま担当することは、そう多くはありません。制作会社の力かお金の問題からか、原作ファンを落胆させることも多々あります。某ツンデレゲームや、なんちゃってマリ見てゲームのように。
こんにゃくの場合、表(と表現します)でも活躍する声優さんがほとんどですが、油断は禁物。作品のイメージを大きく左右するキャスト陣がどうなってしまうのか、今から戦々恐々としています。
果たして、「こおろぎさとみ」「折笠愛」といった名前が、堂々と出てくるのでしょうか……。
……と、長々と書きましたが、このように不安点が様々あります。
それもすべては、こんにゃくに捧ぐ愛ゆえ……。
どのような結果になるのか、どのような結果になろうと、見守っていく所存です。
声優はそのままになってほしいですね。でも、草柳順子氏って表のアニメに出演してたかなぁ。
あと、主題歌はKOTOKO嬢にやってほしいところですが……情報によると、PS2版でもすでに変更されるみたいで。