空影 -karakage-

　いつかの日記で第１期のように「コードギアス R2」のレビューも毎週やると言ったような気がしますが……すでに１クール以上放送されちゃったこともあって、やめることにします(いや、第１期のときも途中からだったんですけどね)。今の更新頻度ではとうてい無理なことも自明の理ですし。
　やるとしたら、すべて終わってからでしょうか。総括という形で。続きはOVAで、なんてことにならず「R2」内でストーリーがきちんと完結することを願ってやみません。おそらく大丈夫、だとは思いますが。

　あ、「Sound Episode」は気が向いたらボチボチやっていくつもりです。
　最終巻であるVol.6の発売が12月の予定ですから、レビューの方も気長に行きましょう。

　さて今日は、まだあと４話も残っていたことに驚きを隠せない「相棒」のレビューを。
　まさかseason6との付き合いがこんなに長くなるとは予想していませんでしたね……。

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・相棒 season6 第16話「悪女の証明」
　あの終わり方(別れ方？)からして、まさかこれっきりのゲストキャラのはずがないと思っていた片山雛子議員、満を持しての再登場。と同時に、「相棒」では久しぶりに政治の絡んだ話となります。個人的には瀬戸内米蔵もまた登場するかなぁと期待していたんですが、残念ながらその願いは叶いませんでした。
　脚本は、今回でseason6の最終登板となる戸田山雅司氏。今シーズンでは計４話(うち、スペシャル１話)を担当して、すっかりローテーションの一角に組み込まれています。片山議員の初登場回であるseason3 第01～第03話は輿水泰弘氏だったんですが、まぁこの次の回をやっていますし、劇場版にも登場する片山議員を視聴者に予習してもらう意味合いから、劇場版を手掛けた戸田山氏が担当したのでしょう。

　で、内容の方はと言うと……ごくごく普通、といったところですね。事件そのものや背景自体がさほど込み入っていなかったこともあって、片山議員の悪女っぷりが前面に押し出されていたような気がします(それがある意味で正しい方法なのでしょう)。木村佳乃氏の演技も相変わらず光っていました。……と、ここで気になってくるのは、「H」の一文字でホテルを指すなんていくら何でもこじつけなのでは、とか、盗聴の録音ぐらいなら部下にでも任せればいいんじゃないか、とか、そもそもあんな機器で盗聴の録音なんてできるのか、とか、そういう細かいツッコミは置いておくとして、今回の主題である片山議員の描かれ方。
　タイトルに「証明」とあるのだから、「悪女」が指すのは犯人・倫恵ではなく、やはり片山議員のことなのでしょう。しかし、考えてみると、彼女は果たして悪女なのか、という疑問が生じてきます。キャラクターとしては悪女以外の何者でもありませんし、犯人を隠匿した可能性が否めないことは犯罪行為ギリギリですが、一方で、彼女がしたこと・していること・しようとしていることは、『組織の何たるかもわからない跳ねっ返り』と評されているように、どこか特命係と似ているんですよね。内側から組織を変えていこうという姿勢が。違っているのは、特命係はほとんど孤立無援であるのに対して、彼女には支援者が多いことでしょうか。
　この辺りの、特命係との牽制が続きながらも同じ志を持っているかのように描かれているところを深読みしていくと、今後、あるかもしれない再々登場が楽しみになってくるのでは、と思います。本当に亡き父親の遺志を継いでいるがゆえの行動なのか、といった彼女の真意が計り切れていないことも含めて。

　あぁ、あと、鹿手袋も再登場したような描写がされていますが……これは再登場と言っていいのかどうか。実際に姿が現れたわけではありませんし、セリフは『片山先生』の一言しかありませんし、エンドクレジットにも記載されていません。自分としては、セリフの部分だけを過去のアーカイブ(記録された声)から持ってきたのではないかと疑っています(そう言う場合、エンドクレジットに載せなくてもいいのかは不明)。
　にしても、劇場版での扱いと言い、鹿手袋はすっかり小物になってますね。まぁ職業に関しては確かに小物としか言いようがないんですが、初登場時、薫を殴って叱咤するところなんかはもうちょっと骨のある人物として描かれていたような。今後、本格的に再登場するとしたらどのような立ち位置になるんでしょう。今回や劇場版と同じように片山議員の子飼いとして暗躍する役なんでしょうか。気になります。