ペット 空影 -karakage- 忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/11/22 17:56 |
【コラム】 なるほど丸戸氏講座 第03回「作品としての特徴」

 あ、アクセス数が25000行ってますね。ありがとうございます。さすがにコードギアスSSをアップしていたころの伸びはありませんが、コンスタントには積み重なっているようで。よかったよかった。
 今後、こういったものを載せてほしい等の意見がありましたらお知らせください。と言っても送られてこないとは思いますけど。念のためお願いだけ……。

 さて今日は、そろそろ恒例となりました丸戸氏講座の第3回を。そろそろ本題に入っていきます。
 mixiでお願いしたら氏本人が見てくれないかなぁ。見てくれないだろうなぁ。

 次回の更新は、おそらく何かのSSになるかと。「この青空に約束を」で検索される頻度が依然として高いので、それを書きたいところですが……。
 ちなみに、テンプレートの変更については悩み中。カウンターや解析の設置が、どうもうまくいきません。

拍手[0回]


 第01回第02回・第03回・第04回第05回

・なるほど丸戸氏講座 第03回「作品としての特徴」
 ここでは、氏の作品に共通するテーマについて解説と考察を述べていきます。長くなるので①②と分けることにしました。②はいずれまた。その前に「○○子について」が入るかもしれません。
 基本的には、その1で挙げたキーワードに対する詳細という形になっています。

■地味な作風
 シリーズの一端である「V.G.NEO」やシナリオの一部に参加している「DUEL SAVIOR」を除いて、基本的に氏の作品は“地味”な作風が多いようです。SF設定が混じるとしても日常から乖離することはなく、根底にあるのはキャラ同士の掛け合いやストーリーのおもしろさを楽しむというもの。
 要するに、前面に押し出すべきセールスポイントがないと言えます。
 魅力的なキャラが目白押しだとか、設定が複雑で巧妙だとか、Hシーンが豊富だとか、ヒロインとの甘々な生活が楽しめるとか、鬱展開に突入するとか……そういったユーザーの興味を引くような項目はあまりなく。例えば「ショコラ」「パルフェ」を売り出す場合、シナリオとしての注目ポイントは? と聞かれれば答えに窮してしまうのではないでしょうか。
 主人公はメイド喫茶を経営してて……それで……えーと……。
 玲愛という所謂ツンデレキャラについては、あれはツンデレブームが勃興した時期に再注目された後発的なものに思えます。そもそも、それが売りなわけではないですし。
 こういった意見は、別に自分の主観ではありません。身内――中でも、戯画の広報に氏が言われていることらしく、インタビュー記事では必ずそういったコメントが登場しています。広報さんの気持ちがわかってしまうのが何と言うか……それでもこんにゃくを企画してしまうのが丸戸氏らしいと言うか……。
 シナリオ的に見ても、最後には誰かが死んでしまったり、物語の舞台となる場所がどうにかなってしまったり、露骨な修羅場が展開したり……といった予想外の事態が起こることはまずないと言っていいでしょう。多少の浮き沈みはあれど、あくまで地に足がついたままストーリーが進み、着々と集結していきます。終わってみれば元通り、でもちょっとだけ進んでいる……というのが定例かと。
 まぁ、そういった「何もないがある」というのが魅力でもあるのですが。
 今でこそ「シナリオライター丸戸史明」といったクレジットで多くの集客が望めるようになりましたが、本来ならば氏の作品は、一口食べてインパクトがあるものではなく、ゆっくりと噛んで味わってようやく旨味がわかるようなものであるように思えます。勉強で言えば天才ではなく、地味ながらもコツコツと積み上げ、ソツのない作りに仕上げる秀才タイプ。そして、わかる人にだけその秀逸さがわかる、という。
 翻って個人的には、なぜこんにゃくがあんなにも世間的評価を受けたのかが疑問なんですが。いや、パルフェの時点でも、これまた地味~に評価されてはいましたが……それからの間にいったい何が? あそこまで売れるなんて。
 この辺のことを推論してみてもおもしろいかもしれませんね。単に頑張った広報の勝利、という可能性もありますけど。

■“家族”というキーワード、その温かみ
 これも例外はありますが、作品に共通する舞台として“家族”が考えられます。特にそれが顕著なのは、戯画の「まるねこ3部作(この名称は今、考えました)」や「ままらぶ」。主人公を含めた登場人物たちが“家族”という共同体で暮らしており、後々それが作品全体のキーワードとなっています。
 キャラたちの会話は家族の会話。そこには、特別な思いや背景が秘められている……。
 また、“家族”というテーマは舞台の外――登場人物たち本来の家族にも向けられています。氏以外の作品に比べ、主人公、ないしはヒロインたちの家族(特に親)が描かれることが多いとは思いませんか?
 つまり、そのキャラが形作られてきた経緯や、どのような環境化で育ってきたのかが伺えるということです。
 いずれの場合も、彼や彼女は単独でその場所にいる“個”ではなく、家族――“全体”の中の“個”として存在しています。人として、ちゃんとその場所その時間に息づいている……。このことが、現代劇を主とした舞台にする作品の上で、キャラたちに厚みを持たせているのではないでしょうか。現実の人間において、良かれ悪しかれ“家族”から脱却できる人間はいないのだから。
 まぁ、後半の論は多少強引ではありますが、とりあえず、氏の作品では“家族”や“家族観”といったものが重要であるということです。彼らキャラたちは須らく幸せな人間であり、もしくは幸せになるべき理由や要素を有しています。誰かが絶望しても挫けても、その人を支えてくれる別の誰かがいる……。大切な居場所。頼るべき相手。
 それを壊しに来る、究極的な“悪”は登場しません。氏も嫌いだと言っています。たとえ敵側がいたとしても、彼らにだってキャラとしての味があり、そうなった訳があります。納得できる形で“悪意”が示されます。
 このようなことが、読後感(プレイ後感?)のよさに繋がっているのではないかと。
 アクロバティックな展開はない。けれど安心して楽しめる清涼剤のようなお話。
 それが丸戸氏作品だと思います。

 ……と、今回は何だかアツく語ってしまいましたね。では、次回また。
 自分としてはここで、「じゃあ旧ファミーユに火を付けた放火魔はどうなるんだ」と言いたいところですが……これはもう、推測の余地がないもんなぁ。
PR

2007/05/14 23:12 | Comments(1) | TrackBack() | Column

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

丸戸氏の家族は毎回良いと思います

僕的な家族としては
パルフェ<ショコラ<こんにゃく
の順でしょうか。

こんにゃくでは航のおじいちゃんとおばあちゃんが本当に好きでした。

posted by SEVENat 2007/05/15 10:08 [ コメントを修正する ]
Re:無題
毎回、あったかい人間関係がいいですねぇ。
ままらぶの家族もなかなかにお勧めです。まさに共同体、といった感じが。
こんにゃくでは、最後にほろりと「人間らしさ」を見せる校長と教頭が印象的でした。あぁ、やっぱりこの人たちにも歴史があって過去があるんだなぁと。
2007/05/21 02:19

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<ブログデザイン について | HOME | 【ネタバレ】 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!>>
忍者ブログ[PR]